ステートマシンや多桁カウンタ等、標準ロジックICでは機能にくらべて部品点数が多くなってしまうケースでは、ハードウェア的に解決する方法としてFPGAやCPLDを利用する事になりますが、これらの部品は必要以上にピン数が多く、ピン間隔も狭いため手ハンダによる実装が困難である他、ユニバーサル基板を利用する場合はピッチ変換基板が必要になり、書き込み装置も高価という高いハードルがあります。また、速度的に遅いマイコンを利用する方法もありますが、ICEが若干高価であるという問題点があります。

本書では、ステートマシンや多桁カウンタなどの機能を実現する上で問題となるコストや回路規模の問題をマイコンによって解決するため、ICE相当の機能が極めて廉価な、DIPパッケージのMSP430マイコン開発プラットフォームMSP-EXP430G2 LaunchPadの概要とデモプログラムによる動作検証例を示します。

さらに、開発プラットフォームの機能拡張を行う例と、開発プラットフォームと異なる動作電圧で動作するターゲットデバイスに接続して、ICEとして使用する例を示します。

また、開発プラットフォームをベースに作成したMSP430の具体的応用事例として、9分までのタイマーへの応用例を示します。(この例はGPIO、割り込み及び時計用水晶振動子による発振器を組み合わせたセットの具体的応用事例となっています。)